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​HOW ANIMATION WORKS

アニメーションの仕組み

「おうちアニメ」―アニメーションの仕組みと工作―

[文]若見ありさ  Arisa Wakami(東京造形大学アニメーション専攻 特任教授)

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このコーナーでは家にあるものや百円ショップ・ホームセンターで手に入る物、そしてスマートフォン等を使い、おうちで簡単に作れる工作やアニメーションを紹介します。

絵や物が動く秘密をいっしょ探ってみましょう!

今回はコマ撮りアニメを作る初心者編です。

1. 撮影方法

前回と続いてスマートフォンを使いストップモーションスタジオで撮影しますが、カメラは手持ちではなく固定させます。固定の方法は作る作品によって大きく分けて2種類あります。

 

A:カメラを上から下に向け被写体を寝かせて撮影する「半立体アニメーション」

半立体の“切り絵”や“砂絵”を“撮影”などをアニメーションで制作するときにはこの方法で撮影します。

重力と関係なく飛んだり跳ねたりの演技も可能で自由度も高く子ども向けのワークショップなどでも多く使われます。例えばロシアのアニメーション作家ユーリ・ノルシュテイン(Yuri B. Norstein)監督「霧につつまれたハリネズミ」や「話の話」、イシュ・パテル(ISHU PATEL)監督の「死後の世界」はこの方法で制作されています。

撮影台A.gif

B :カメラを横に向けて被写体を立たせて撮影する「立体アニメーション」

立体の人形や粘土を台の上に立たせて、歩いたり走ったり演技をさせる場合はこの方法で撮影します。被写体が「立つ」ことが条件のため、人形の内部に金属の「芯」が入っています。歩いたりジャンプしたりの演技の自由度が低いため、人形を自立させるために台の上をコルクにして虫ピンで足を固定したり、“タンク”(戦車ともいう)と呼ばれる特別な支えを使用したりします。アードマン・アニメーションズ制作の「ひつじのショーン」や見里朝希監督の「PUI PUI モルカー」などはこの方法で制作されています。

撮影台B.gif

今回はAカメラを上から下に向け被写体を寝かせて撮影する「半立体アニメーション」をセッテイングしてみましょう。

 

2. 撮影台の設置

A:簡易版(予算110円)

100円ショップにあるものを1つ購入するだけで簡単に撮影台がわりにします。

それは積み重ねラックです。

B:中級版(予算550-660円)

100円ショップにあるものやスーパにあるものを複数購入して撮影台を作ります。

①ワイヤーネット、ワイヤーネットスタンド、結束バンド、フックを購入します。

C:上級版

ipadやiPhoneのタブレットスタンドを使用します。大体¥2,000-前後ですが安定感が商品によって異なるので注意が必要です。

3. 撮影準備

それでは今回もストップモーションスタジオ(StopMotionStudio)を使用して撮影していきます。

公式HP< https://www.cateater.com/

iPhone、Android、iPad、Mac、Win版もありFree使用可能でダウンロードできます。

https://www.cateater.com/try.html

マニュアルはこちら↓

https://www.cateater.com/support.html
 

今回は動きの練習ですのでペットボトルキャップもしくは丸く切った色紙を用意して動かしてみましょう。

 

ストップモーションスタジオをたちあげて

  1. 「新規ムービー」を選択します。

  2. 「カメラのアクセスを許可」します。

  3. 「プロジェクト設定」でフレームレートを「8」にしましょう。

8回撮影したら1秒ということになりますので感覚的に覚えておきましょう。

  1. 「カメラ設定」で被写体にピントを合わせます


 

4 . 撮影開始

いよいよ撮影していきます。

 

4-1:2点で撮影

1秒8フレームで撮影しますがキャップをAからBへの2点へ動かして4フレームずつ撮影してみましょう。前回の2コマアニメと同じ要領ですね。

4-2:4点で撮影

次にAからBへ4つに均等な距離で球を動かしてみましょう。

4-3:8点で撮影

次に右から左に1フレームずつ8回均等な距離で動かして撮影してみましょう。